タイバニ関連を主にうp。
たまに兎虎や海老虎のSSうpしたり。
基本は写メで。
なんで、オレ。ここに居るんだろ。
かしゃかしゃと泡だて器でボウルの中身を混ぜながら、がっくりと肩を落とす。
広いキッチンに立ち込める、甘いチョコの香り。
「ファイアーエンブレム、これなんかダマになっちゃったんだけど・・・」
「あーらやだ!だからちゃんと混ぜなきゃ、って言ったじゃない。もう、ほら、こうやって混ぜるのよ」
「ファイアーエンブレムさーん、僕のなんか固いんだけど・・・」
「ちょっとぉー、ちゃんと粉、振るわなかったでしょ。これで振るってからって言ったじゃない」
なんで、オレ・・・ここに居るんだろ。
女子2名、中間1名、で、おじさん1名の計4人。
ファイアーエンブレムの会社が関係している、お料理教室を借りて仲良くチョコレートケーキ作り☆
じゃねぇよ!!なんだよ星って、乙女かっ!!
大体なんで男のオレがこんな所に・・・。
『あんた、ハンサムにバレンタイン、何もあげないつもり?』
あの一言がキッカケだった。
てっきり、一緒にチョコ売り場とか言ってくれるのかとか、代わりに買って来てくれるのかと思ってたら・・・。
まさかの、チョコレートケーキ作り教室開催+お招き頂くとは・・・。
しっかりそれぞれのヒーローカラーのエプロン、三角巾まで用意してくれてあってよ。
断わったけど、物凄い圧倒的なオーラに圧倒されて、結局こうなった訳で・・・。
楓ぇ・・・パパ、30過ぎてお菓子作りするなんて思っても居なかったよぉ・・・。
「ちょっとタイガー、もっと気持ち込めなさいよ!」
「だっ!や、やってるってば」
「ハンサムの事を考えながら生地を練るのよ。愛情をたーっぷり込めて、んねっ☆」
「愛情っていうか怨念に近いな」
「あぁん?」
ドスの利いた声に、背筋が冷たくなる。
ふるふると左右に首を振り、手を動かした。
「い、いや、なんでもないです」
「初めてにしては上出来じゃない。生地も綺麗にまとまってるし、センスあるわよ」
「そうかぁ?チャーハンなら得意だけど、ケーキなんか初めてだからよぉ・・・これでイイのか?」
「大丈夫大丈夫、あとは用意してある型に流して焼くだけだから」
「意外と簡単だな。いや、お前の教え方が上手いのか」
一瞬だけ目をぱちぱちさせて、ファイアーエンブレムがにこっと笑う。
あんたのそういう所、好きよ。
そう言って置かれたのは、ウサギの型と小さい丸い型・・・お、おい、これウサギって・・・。
「小さいのは試食用。ウサギの方はハンサムへ渡す方だからね」
「ぎ、逆じゃだ―」
「あぁん?」
「なんでもないです、すいません」
ウサギ型って・・・な、なんかこれ、力入れすぎじゃねぇか?
てっきり普通の型を用意してくれてると思ってたんだけど・・・。
こんな乙女っぽい物用意して、大丈夫か・・・?
バニーに嫌がられたりしねぇかな・・・っていうか、味解んねぇし・・・。
「ブルーローズのはハートの形で、ドラゴンキッドのは星の形ね」
「バラの形は難しいもんね。ありがと、ファイアーエンブレム」
「僕、イナヅマのが良かったなーこういうギザギザの」
「バレンタインなんだから、可愛いのにしなさい」
ファイアーエンブレムは別として、ブルーローズやドラゴンキッドみてぇに家族にやるのとは違うからなぁ。
・・・バニー、どう思うんだろ。
ここまで来ちまって、ノリで結局参加しちまったけど・・・
「渡せるのか?これ・・・」
オーブンに入れながら、大きな溜息を吐いた―
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