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タイバニ関連を主にうp。 たまに兎虎や海老虎のSSうpしたり。 基本は写メで。
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僕のベットは4歳のあのクリスマスの夜から冷たくなった。
両親に囲まれて眠る、柔らかくて温かなベットはもうない。
布とスプリングがどれだけ上質な物になっても、そこに温もりはなかった。
ずっと、永遠にそうだと思った。
もう僕は、人肌に触れる事もなく冷たいベットで眠り続けるのだと。
例え復讐を成し得たとしても、その時隣で眠る誰かを愛せるのかどうか、不安だった。


愛は突然消える。


4つの時に味わった喪失感。
僕はきっと、この感覚に永遠に捕らわれ、そして怯えるのだ。
誰かを愛しても、きっとこの人も両親のように失う。
そこで燃え上がった炎は、急速に冷えて行くのだろう、と。


「ん・・・」


そんな風に殻に閉じ篭っていた僕を、強引に引っ張った人。


「すみません、起こしました?」
「ん・・・どした、バニー・・・?」


撫でていた漆黒の髪が揺れ、琥珀色の宝石がきらきらと輝く。
吸い寄せられるように薄い唇にそれを重ねると、ぴくっと抱き締めた身体が震えた。
僕よりも年上なのに、まるで少女のようなあどけなさ。


「いえ・・・ただ、眠ってる虎徹さんが可愛いかったので。ついつい手が出てしまいました」
「・・・ばか」


むに、とほっぺたを軽く抓られた後、そこに唇を寄せられる。
重ねた肌の体温が、じんわりと胸の奥深くまで温めてくれる。
どこまでも強引で、人の心に土足でずかずか踏み込んでくるこの人は。
僕の気持ちをほんの少し漏らした時に、溜息を吐いていとも簡単だと答えを言ってのけた。


「考えたって仕方ねぇだろ。オレが死ぬのが怖いなら、お前が死ぬ気でオレを守れ」
「・・・はい?」
「その代わり、オレがお前を死ぬ気で守ってやるよ」


犬歯を覗かせながら、にかっと笑ったあの顔が忘れられない。
今、僕の腕の中でこうして頬を少し桜色に染めながら、もぞもぞ擦り寄ってくる人と同一人物。
・・・人間は、不思議な生き物だ。
僕も似たような物だから、あれこれと人の事を言えないが。


「眠ってイイですよ?特に用はないので」
「だっ!なんだよその言い方ーもぉー、おじさん怒って帰っちゃうぞ?」
「ベットの外は寒いですよ?着替えている間に風邪を引きます」


ぎゅっと強く抱き締める。
首筋に吐かれる吐息が、熱くてくすぐったい。
とくん、とくん、と一定のリズムを刻む虎徹さんの鼓動が心地良い。
・・・温かい・・・。


「バニー?」
「・・・すみませ、ぼ・・・く・・・」


あぁ、瞼が重たい。
ふわり、と柔らかな絹のように唇を重ねられる。


「おやすみ、バニー・・・また明日、な?」


はい、また明日・・・おやすみなさい・・・。


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